関節疾患の季節的変動

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1.関節リウマチと季節
☆リウマチ症状と気象の関係に否定的な文献
Gorin9),Drane5),Redelmeier25),van de Laar34),Sibley30),Latman13)

☆リウマチ症状と気象の関係に肯定的な文献
Strusberg32),Patberg18-22),Aikman1),Guedj10),Dequeker4),Rasker24),Hill11),Edstrom6)

1) 気象要素を実験的に変化させて分析した文献
a) Edstrom6)“microclimate”という温度(32℃)、湿度35%の部屋にリウマチ患者を3ヵ月生活させたところ、疼痛・こわばり・腫脹の軽減と咽頭培養菌の減少が認められた。元の環境に戻ると、元に戻った。
b) Hill11):“Climatron”:温度・湿度・気圧・風・電離の5つの因子を変化させることができる15feetの四角い部屋でリウマチ患者を生活させ、症状をLansbury指数で評価した。(患者には変化は知らされない。)
湿度の上昇と気圧の下降の組み合わせのときだけリウマチの症状が悪化した。
変化後、安定すれば症状も安定した。

2)海外文献における気象要素とリウマチ症状の関連性
  気温 湿度 気圧
Patberg18-22) なし
Guedj10) なし
Dequeker4) なし
Aikman1) なし
Strusberg32)
Edstrom6)  
Hill11) なし
Latman13) なし    
Rasker24) なし なし
van de Laar34) なし なし なし
Sibley30) なし なし なし
Gorin9) なし なし なし
Redelmeier25) なし なし なし
Drane5) なし なし なし

※脚注
+  正の相関
-  負の相関
空白 記載なし


3)文献で見たリウマチ症状と季節
―日本の文献より―
日本でRA症状が悪い季節
▼静岡(中伊豆) 東3)1983年 ▼大分 延永17)1985年
   
▼新潟 中園16)1997年 ▼東京 行山36)2004年

日本各地における悪化の訴え率の季節変動
滝沢健司33)1991年
図1 各都市における悪化の訴え率の季節による変化

湿度変化と悪化の訴え率
図2 各都市における月ごとの悪化の訴え率と湿度の相対的変化率の関係

関節痛と気温変化 行山36)2004年6名のRA
東京
アンケートの結果では、リウマチ症状は、梅雨と冬に悪いようである。湿度と気温が関係していると思われる。
ただ同一患者を追跡調査した場合は、冬は症状が軽い。冬は湿度が低い、あるいは暖房の中で生活するので湿度が低い?

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